じわもんとは、石川県の方言で地元産であることをさします。野菜ソムリエが石川県で生産されている野菜果物 じわもん野菜、じわもん果物を紹介します

石川県産の葉菜類

ふきたちなアブラナ科アブラナ属。アブラナ科のツケナ類に近いものは交配・交雑が激しく、全国にたくさんの品種が存在し、種の起源を特定するのは難しい。吹立菜は小松菜の変種とも言われているが、詳しい種の起源はわかっていない。藩政時代に金沢市の城南・笠舞地区で栽培されており、これが種の始まりだといわれている。

くきたち菜、てんば菜、唐菜などと呼ばれることもあるが、これらは地方での独自の呼び方であり、違う地方では全く別の品種をさす場合もある。

てんば菜とは金沢市以南でよく使われる呼び名で、塩漬けし、重石を乗せた後でも、じっとしておらずに、にょきっと茎を伸ばし花まで咲かせる成長力から「おてんば娘」という意味をこめたもの。

石川県金沢市で栽培が始まった後、金沢以南、白山市、小松市、加賀市などに広まり、冬場の漬物用菜っぱ、または煮物に、古くから親しまれてきました。

葉の形状が丸みを帯び、葉肉の厚みがあり、茎も太くしゃきしゃきしています。ほんのりとした苦味を感じ、火を通すと、それが旨みに変わる。冬の寒さにあたって甘みも増しており、冬場にはなくてはならない菜っ葉。

栄養価 ビタミンAにかわるカロテンが豊富に含まれており、ビタミンCも多い 

栽培特性

耐寒性を持ち、播種後数日で芽が出て寒冷期にゆっくりと成長します。

 

みょうがショウガ科ショウガ属の多年草。アジア東部を原産地としており、日本に古くから自生していた。日本特有の香辛野菜で魏志倭人伝には「めが」として記載がある。「めか」「芽香」「妹香」などと呼ばれており、主に香りを楽しむものであり、現在も、あまり変わりがない。

みょうがを食べると物忘れを起こす!?

上方落語に『茗荷宿』という話があります。宿屋の亭主が金持ちの客に、自分の持金を忘れて帰らせようとして、ミョウガを大量に食べさせる。すると客は、家賃を払うのを忘れて帰ったという。

古くからの言い伝えを話にしたものですが、ミョウガは栄養と呼べるほどのものを持っていない。ビタミンCなどは100g中5mg、カリウムは比較的に多い350mg。ですから、食べても何の役にも立たない。効果がない。むしろ身体が食べたことを忘れている。このような話からミョウガを食べると物忘れをする!?という迷信が生まれたのではないかとも言われています。

独特の形状や、冥加と書くと神仏のご加護が得られるという「弓矢の冥加にかなう」といい、武家の紋に使われたことが多い。

石川県でも古くから自生している者を採取することで茗荷を食べてきていましたが、昭和に入り、種をとり、畑で栽培するようになります。7月頃の夏ミョウガ、9月~10月の秋ミョウガは、一時期にたくさん採れ、色鮮やかで、鮮度が良く、薬味だけではなく、漬け物や和え物などでたくさん食べられています。

金沢市の北部、富山との県境に近い森本、花園地区で栽培が盛んに行われており、霧がかかる山間地の高湿度と温度差が良質なミョウガを育む土台となっている。

暑さに強く、寒さに弱いため、初夏から晩秋にかけて露地栽培で出荷しています。

栄養価は特筆すべきものが無く、辛味と香りを楽しむもの

栽培特性

地下茎で繁殖する宿根性の多年草であり、冬の低温を経て15℃以上になると根茎の先端にある頂芽が発育してくる。発芽後の生育適温は20℃前後で30℃以上になると生育が抑制される。ですから、7月の早生種 夏ミョウガと9月10月の秋ミョウガ晩生種に大別される。低温にも弱く、霜に1~2回合うと茎葉が変色し枯れる。半陰性強い光にさらされると葉枯れを起こす。古くから山野で自生することからも土壌適応性は広いと考えられ、酸性土壌でも生育する。しかし乾燥には弱く、土壌水分が多い腐食に富んだ粘質土壌が最も適している

石川県で栽培されている代表的な品種特性。

夏ミョウガ(早生種)  

草丈が高く、茎が太く、葉は大形である7月上旬から花蕾が発生し早期出荷できる。秋ミョウガに比べて細身なものが多く、色もやや薄い。

秋ミョウガ(晩生種)  

9月~10月かけて花蕾が発生。大型の花蕾が多く、色も濃く香りも良い。

作型は普通作

普通作では1年目の3月に種子株となる地下茎を植え付け、乾燥を防ぐための覆土をする。落ち葉などを敷きこみ、雑草は手取り除草。追肥、灌水を行った後、7月上旬ごろから収穫できる

県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。

■見分け方
ふっくらとして、色のこい物を

■ 主な産地 金沢市、津幡町

■ 収穫期間 

夏ミョウガ 7月初旬~8月上旬 

秋ミョウガ 9月上旬~10月中旬  

■ 保存方法
冷蔵庫で2週間程度保存できる。香りが薄くなってしまうので、早めに食べるほうがよい。甘酢に漬けて漬け物にし、冷凍保存も可能

金時草キク科サンシチソウ属で熱帯アジアが原産ではないかといわれている。東南アジアを中心に自生できるほど生命力が強く、暖地では一年中若葉が生えることで、周年収穫できる場合もある。茎や葉が成長した段階でわき芽を収穫し、柔らかな若芽と葉を食用とする。加熱すると、ぬめりが出るため、珍しく。味にクセが無いため、子供から大人まで人気の高い野菜である

日本に伝来したのは18世紀と言われ、中国から、琉球、熊本へと伝えられた。熊本ではスイゼンジナと呼び、琉球ではハンダマと呼ぶ。

石川県では18世紀後半 江戸時代に北前船の流通中継拠点であった北国金沢へと運ばれた。当時は船乗りたちの貴重なビタミン源になっていたとされる。金沢では、高湿度の環境と昼夜の温度差が高いことから、紫色の発色が良く、葉の厚みも増し、食感が良く夏場の貴重な葉ものとして定着した。以来100年以上、栽培され続けているのは、金沢だけだと言われる。

金沢市の北部、富山との県境に近い森本、花園地区で栽培が盛んに行われており、霧がかかる山間地の高湿度と温度差が良質な金時草を育む土台となっている。

キク科ではあるが、花が咲きにくいため、交配が難しく、あまり多くの品種があるわけではなく、金沢では在来種の金時草として栽培されている。熊本県のスイゼンジナも伝統野菜を復活させる取り組みから、徐々に生産量を増やしている。元々は同じ種であるとされるが今日では、スイゼンジナのほうが、葉が小さく茎が細い。キンジソウは葉が大きく茎も太くなる

石川県では、金沢市を中心に栽培されています。

暑さに強く、寒さに弱いため、初夏から晩秋にかけて露地栽培で出荷しています。

栄養価は鉄分が豊富に含まれており、造血効果が期待できることから、夏場の貧血要望などに効果があると言われている。加えてアントシアニンの抗酸化作用が期待されている 

栽培特性

生育適温が20~25℃と高く、5℃以下になると生育が止まり、露地栽培では越冬せずに枯死してしまう。そのため、根をつけた苗を土つきで室にいれ、12℃前後で翌年の植え付けまで保管する。花は咲きにくく、種が採れることは少ない。

石川県で栽培されている代表的な品種特性。

在来種  

葉は互生し、長卵楕円形で葉の縁は鋸葉状である金時草栽培風景

作型はトンネル普通ハウスの3系統

普通作では冬期に保管してあった苗を、マルチ、敷きわらなどで地温が下がらないようにして5月中旬に定植し、追肥や乾燥に注意して灌水を行いながら、わき芽を収穫していく。6月~10月下旬まで 。ハウス栽培ではハウス内の温度に注意して、夏場は温度が上がりすぎるために、ほぼ開放し、冬場は温度をあげると成長は遅いが収穫でき、周年で収穫することが可能。

県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。

■見分け方
葉が厚みがあり、大きなものほど香りや味の特徴が出やすい

■ 主な産地 金沢市

■ 収穫期間 

露地栽培 6月中旬~10月下旬 

ハウス栽培 通年  

■ 保存方法
水分の蒸散が激しいので、濡れ新聞にくるんで冷蔵庫で1週間程度。葉っぱだけを食べるため、残った茎は、庭先の土にさしておくと、また若葉が出てくる

アスパラガスユリ科アスパラガス属(クサスギカズラ属とも呼ばれる)。早春から夏にかけて地中に顔を出す若芽を食用としているもの。グリーンとホワイトは種の違いではなく、光を遮ることで、軟白栽培した物。近年パープルも多く流通しているが、これはアントシアン色素が発現しやすい品種で分類されている。

南ヨーロッパからロシア南東部が原産であるとされ、日本には18世紀後半、江戸中期にオランダ人によって伝来したといわれている。当時は食用ではなく、観賞用として栽培され、キジカクシとも呼ばれる生い茂る葉を楽しむ他、クリーム色の小さな花が鈴なりになり、赤い実をつける様を楽しんだとされます。その後、明治以降にアメリカやフランスから種子を導入し、北海道で本格的な栽培が始まったのちは長野、佐賀、長崎、秋田などを中心に栽培されています。

石川県では能登や珠洲などでも栽培がおこなわれていましたが、現在、大規模に市場出荷しているのはJAはくいアスパラ部会のみ。5月初旬~6月中旬に出荷しています

栄養面ではβカロテンが100g中370µgと緑黄色野菜の基準には満たないのだが、一回に食べる量が多いため、緑黄色野菜に含まれます。アミノ酸の一種であるアスパラギン酸には新陳代謝を促すとともに、タンパク質合成を高める効果があり、滋養強壮や疲労回復、ダイエットに効果的とされる。

アスパラ栽培風景栽培特性

タネから育てると、3年目から7~8年目まで植え替えないで収穫することができます。そのあとは根を掘りあげて株分けし、別の場所に植え直します。発芽適温は20~30℃で、生育適温は15~25℃  土壌は中性に近い、弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培する必要がある。

県内各地の出荷組合、JA、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。

■見分け方
穂先が詰まり、緑が鮮やかで、全体にハリがあるものを選ぶ。水にさらすと張りが出るが、つけすぎると全体に水っぽくなってしまうので注意が必要。切り口が丸くて白く、みずみずしいものがよい 

■ 主な産地 はくい市

■ 収穫期間 

5月初旬~6月下旬

■ 保存方法

温度が高いと、呼吸が多く、鮮度・栄養価が落ちます。すぐに冷蔵庫に立てて入れる。1週間が目安。

たけのこイネ科タケ亜科ですが分類上曖昧な点が多い。一般的にはタケ亜科マダケ属に属している。

タケの分類については研究機関によって調査研究がなされているところなので、ここではふれないこととするが、曖昧な理由として、花が咲きにくく、他の植物との類似点を明確にすることが難しいため分類しにくいとされている。

竹はヨーロッパ、ユーラシア大陸、西南アジアなどの温暖な気候で広域に分布しているが、マダケ属としては原産値が中国である。17世紀に中国から琉球に伝わり、江戸中期には全国に広まった。北海道以南の日本全国で自生または栽培されている。

マダケ属の中でも、若芽を食用とするモウソウチクが一般にタケノコとして出回る品種であり、最も大型になり、2月~5月下旬まで出回っている。

石川県に、孟宗竹が導入されたのは江戸時代、加賀藩の割場足軽だった岡本右太夫が、明和3年(1766年)に江戸から2株の孟宗竹を持ち帰り、金沢の桜木町自宅に植えたのが始まりである。しかし、この孟宗竹は惜しくも枯れたので、4年後の明和7年(1770年)に再び江戸から取り寄せ、自宅と菩提寺である寺町の妙福寺に植えたところ、今度は植えついた。その後、内田孫三郎氏が孟宗竹の普及につとめたと伝えられている。その後、金沢市内の山間地を中心に県内全域へと広まっていき、金沢市、白山市、小松市、はくい市で栽培されている。

せりセリ科セリ属。数少ない日本原産の野菜だと言われています。元々は野や山に生える野ゼリを田で育て始めたのが始まり。綺麗な湧き水が豊富に湧き出る土地で自生もしくは育てられていたセリは香り高く、歯切れが良いため、とても美味しい。

原産地が日本の野菜は少ない。三つ葉、ウドなどの山菜類と里芋など。古くから、その形状をあまり変えていないユーラシア・アジアで自生していたものが大半を占める。

万葉集では春の七草の一つとして登場し、平安時代の延喜式(905年)には内膳司のマニュアルに芹四升との記載があり、自生だけでなく栽培の歴史ではないかとも考えられている。

日本での栽培条件には幅が広いが、質の高いものは条件が絞られることも多い。水が循環し、絶えず綺麗な水が出るところで、肥沃な土壌が適している。また、山に自生するものは茎が短く香りが強いものがとれる。

石川県では、金沢市を中心に栽培され、石川県全域の野山で採取することも可能です。

主な品種は在来種

直立性があり、葉は鮮緑色で低温においても褐変したりアントシアンの色素が発現することは少ない。伸びが良く、小葉は小さく、葉柄は細い方で、香りが多い。

栄養価は鉄、食物繊維、ビタミンCを含み、貧血や便秘、風邪の予防に効果があると言われています。香りの元となっている精油成分には、保温効果や発汗作用があって、冷え性に効果があると言われています。

 

だいこん菜

アブラナ科アブラナ属。ダイコンの間引き菜として出荷されるものと、葉ダイコンとして出荷されるものがあります。本項では葉ダイコンを紹介します。

伝来はダイコンと同じく、地中海沿岸が原産。日本には古くから伝来していて、日本書紀や万葉集にスズシロという記載がある。スズシロとは正に、大根菜のことであり、柔らかな葉を昔から食用にしていました。

品種改良が進み、近年では葉を食べる品種として数種があります。

石川県では、金沢市、白山市を中心に栽培されています

他の葉菜類と同じく、暑さに弱いため、夏場は涼しい山間地での栽培だけで、冷涼な気候のときには石川県全域で栽培できます。

 

ほうれん草アカザ科ホウレンソウ属。中央アジア原産と言われ、古くからペルシャ(現在のイラン)では食用とされていました。そこからヨーロッパに伝播さえたものを西洋種。シルクロードを通って中国へ伝播されたものを東洋種と大別でき、葉の形状が異なる2種類の品種群がありました。現在はそれらの交雑種が一年中出回っています。

日本への伝来は17世紀 江戸時代初期だと言われています。中国から持ち込まれたとされ、漢字では菠薐草、法蓮草と書く。菠薐は中国表記でペルシャの意。ぺルシャから持ち込まれたことを意味している。

アカザ科という、主要野菜の中では珍しい科に属しています。アカザは田や畑に生える雑草の一種ですが、同じ科の野菜としては、テンサイやテーブルビート、スイスチャード、ホウキギ(とんぶり)、オカヒジキなどが挙げられます。サトウ大根と知られるテンサイと近いことから、冬場のホウレンソウの根部には甘みがある。

現在のホウレンソウは東洋種と西洋種の交配種が主流で、周年出荷されていますが、冬場は東洋種が多く、耐寒性があり、甘みが強いものが出回っている。

石川県では、小松市、白山市を中心に、全体で32haほど栽培されています。露地と施設栽培の比率は50%

アブラナ科アブラナ属。ツケナの一種で、石川県の七尾市を中心に古くから栽培されています。能登の風土を生かした特色ある野菜を集めた能登野菜にも認定されています。

独特の苦みが特徴で、この苦み成分の機能性について盛んに研究されている。
現在発表されている研究成果は

中島菜の血圧調整成分に関する研究
 県産作物中の血圧調整機能成分(アンジトテンシンⅠ変換酵素阻害度:ACE阻害度)を検索したところ、中島菜において、その機能性成分の特性及び効果を確認した。
 アンジトテンシンⅠ変換酵素は、通常人間の体内に存在する酵素で血圧の上昇を促進する酵素です。この酵素の活性が高すぎると血圧が上昇する傾向があります。
 
この研究は、石川県立農業短大、中島町、民間企業(㈱北陸製菓、㈱サンミレー)との共同研究

■栽培方法

作型は露地栽培で9月下旬に播種し、本葉2~3枚のころに間引き、株間10~15cmで生育させ、11月中旬ごろに収穫が始まる。そのまま越冬させ雪の中の畑に置き、順次収穫することも可能

■出回り時期

12月初旬~2月下旬

■保存方法

濡れた新聞紙に包んで冷蔵庫で保存。浅漬けにして冷凍保存もできる

二塚からし菜アブラナ科アブラナ属。カラシナは日本に古くからある野菜で来歴はよくわかっていないが弥生時代に伝来したともいわれる。葉は野菜として食べられるほか、種子は和がらしの原料となっていたことでも知られている

石川県で作られるからし菜は、古くから伝わるカラシナの変種であるタカナの一種と考えられている。鼻に抜けるピリッとした辛みが特徴で、おひたしや、漬物にされ冬の食卓に並んでいる。

石川県への詳しい来歴も定かではないのだが、昔は緑肥として、レンゲなどと一緒に播かれ、無肥料で栽培され、菜っ葉が少ない時期に耐寒性のあるからし菜はポピュラーな食べ物だったと言えます

葉は濃緑色で欠刻が深く、ぎざぎざした葉と太い軸。収穫時期の冬に雪や霜にあたることにより、黄色く変色することがあるが、これは品質の良い証。草丈20センチ程度で収穫されています。