石川県産の根菜類
サトイモ科サトイモ属。山に自生する自然薯に対し、里で育てる芋という意味からサトイモといわれている。原産はマレー半島付近といわれているが稲作以前に日本の主食であったと推定されるため、最古の野菜であるとか、日本原産であるとも言われている。
茎の地下部分を塊茎を食用とし、葉柄はズイキといい生や乾燥にして食用にされる。
日本で育てられている主な品種を大別すると、
・親芋を食べるもの
・小芋を食べるもの
・両方食べるもの
という3つに大別される。
主要な品種は小芋を食べる系統で(小芋が多数できる系統)の石川早生で、生産の8割以上を占めるとされている.他にズイキ用(葉柄利用)の赤ズイキ(八頭)や京料理に使う海老芋用の品種である唐ノ芋、親芋(親芋が太り、小芋はほとんどできない)系統の筍芋などがある。これらは交配せずに栄養繁殖で増えるため、ほかの野菜のように多種な品種があるわけではない。品種改良があまり行われないが、長い年月で栽培地域の特性に合った品質に変わっていくことはある
ユリ科ネギ属。同じくユリ科の玉ねぎやらっきょうのように鱗片が重なる形ではなく、中心に4~10数個の塊を有し外側に薄い鱗片が重なる。外側を乾燥させ、中の塊を食用としています。他ににんにくの芽として葉の部分を食べる場合もあります。
日本には朝鮮半島を経由して平安時代には伝来したと推定されています。当初は薬用として栽培されていたという記録もあり、生で食べることが多く、辛味が強いためだったと考えられる。香辛料として使われることが多くなったのは戦後である。
日本の代表的な品種としてはホワイト六片種。福地ホワイトという青森県の品種が一般的である。5~6片の大粒で使いやすく、また葉にんにくにも適している。
他には鱗片が赤褐色の富良野、上海早生、壱州早生、沖縄早生、遠州早生など寒冷地型や暖地型などの品種があるが、基本的に種はできず、株分けで増えて更新していくため、品種改良はあまり行われていない
石川県ではいつ頃から栽培されていたか、早生品種の栽培がなされている
栄養価 タンパク質が多く、脂質や、ビタミンB1、B2、カリウム、リン、カルシウム、ナトリウム、アミノ酸等も含まれています。さらに、ビタミンEと同じ様な働きをする物質をも持っています。
ショウガ科ショウガ属。薬味としてよく使われますが、体を温める効果が注目されており、シロップ漬けが人気。インドを中心とした熱帯アジア原産の植物で香辛料、生薬として世界中で利用されている。日本には中国から3世紀頃に伝わったとされる歴史の古い野菜。平安時代の書物にも「はじかみ」の名で登場しています
石川県で、いつ頃から栽培されていたか、詳しい事はわかっていないが、日本で唯一、ショウガを祭る神社がある。この神社の創建が718年で、奈良時代から6月15日をショウガ祭りの日と定めていたことからも、古くから栽培が続けられてきたことと考えられます。現在は金沢氏を中心に小規模で生産するだけとなっています
栄養価 辛味成分は、ジンゲロンとショウガオールで、肉や魚の臭み消しに利用されるほか、発刊作用があるので、昔から生薬として利用されてきました
栽培特性
発芽の適温は18~20℃程度で、生育の適温は25~30℃程度。15℃以下では著しい生育低下をきらし、暑さを好み、寒さ、霜に弱い。また乾燥にも弱いため敷きわらで湿度を保ちながら栽培するとよい。
作型は普通栽培
普通栽培では4月頃にタネショウガを用意し、芽だし育苗をして8cm程度に伸びたら定植する。生育期間が長いため元肥をしっかりし、追肥も2回程度行う。乾燥に弱いため梅雨明けしたら敷きわらをしく。夏ごろには新ショウガとして出荷できるが、根茎をしっかり太るまで待ち、根生姜として出荷されます。
県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。
■見分け方
表面が乾きすぎておらず、塊が大きいものを選ぶとよい。
■ 主な産地 金沢市、小松市
■ 収穫期間
普通栽培 9月下旬~10月中旬
石川県慣行農法ガイドライン
農薬散布回数上限 慣行 7 特栽 3
化成肥料10a窒素成分上限(N kg/10a) 慣行 40
石川県の慣行栽培では7回しか農薬をまくことができません。高知県は露地栽培で32回
■ 保存方法
乾燥に注意して、常温で保存。
ユリ科ネギ属。玉ねぎや、らっきょう、にんにく等、鱗茎が肥大した部分を食用とするものは根菜類(鱗茎)に入ります。原産地は中国、ヒマラヤ山脈とされ、8世紀ごろに中国から北九州に伝来したとされており、当時は薬用として用いられた。食用となるのはその後700年ぐらいたった室町時代と言われている。北九州への伝来は比較的早かったが、日本全国へと栽培が広まるには年月を要した。これは、らっきょうには花が咲くが、種子の結実には至らない場合が多く、種子繁殖ではなく、株分けの栄養繁殖であることが挙げられる。
石川県では江戸時代より食べられてきた歴史が残っている。加賀藩の前田対馬守の依頼により向井元升が執筆した庖厨備用倭名本草に書かれている460種の中に記載がある。
石川県内の主要産地
内灘町、七塚町。砂地で広く栽培されている
石川県での栽培品種
在来種(玉らっきょう)、らくだ など
栄養価は、ユリ科ネギ属に良く含まれている硫化アリルが豊富に含まれている。硫化アリルには、ガン抑制効果や体内の疲労物質を分解効果があるといわれていて、毎日数個食べるだけで、がん予防や疲労回復に効果があるようです。
栽培特性
低温に強く、暑さには弱い。生育適温が20~23℃で、夏季30℃以上になると休眠する性質を持つ。土壌適応性は広く、吸肥力が強く、特に乾燥に強い。玉の肥大は砂土よりも埴壌土のほうが良く、大玉で多収となるが、きめの細かさや光沢などの品質は砂丘地のような痩せた畑が適している。
作型は1年掘り(1年子)と2年掘り(3年子)。
代表的な品種
玉らっきょう (在来種)
1年掘りに多く用いられる草丈が低く、葉は細くややねじれている。分蘖が多く、種球1個から通常は10~15球、多い時は20球以上に増え、球重は1.5~2.5g。首が締まって、加工に向き、白色で肉質は柔らかく、臭気が少ない。
らくだ(在来種)
草丈は高く生育旺盛であるが、分蘖分球が少なく、1年掘りでは種球から6~9球しか分蘖せず、肥沃な土地では1球重が10gの大玉に生育するが、痩せた砂丘地であっては4~6gになる。花ラッキョウには大きすぎ、小球化するために翌年に植え替えを行う。
県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。
■見分け方
大きさが小さい物のほうが年月がたっており、肉質が締まり、カリカリとしたらっきょう漬けとなる。
■ 主な産地 内灘町、はくい市。
■ 収穫期間 6月下旬~7月下旬
保存方法
通気性の良い冷暗所で保存する。
ユリ科ネギ属。玉ねぎや、らっきょう、にんにく等、鱗茎が肥大した部分を食用とするものは根菜類(鱗茎)に入ります。原産地は中央アジアとされ、エジプトやヨーロッパには紀元前に伝わり、アメリカに伝播したのは17世紀、中国には19世紀に伝わった。日本には明治以降北海道と関西で大規模な栽培が始まり、後に全国へと広まって、キャベツ、ダイコン次いで、収穫量第3位に位置している。
石川県でも栽培をしておりイエローダンバース系と呼ばれる黄タマネギが主流である。
石川県内の主要産地
小松市、白山市、内浦町、金沢市。
石川県での栽培品種
七宝甘70、もみじ3号、ターボ、アトンなど
栄養価は、ユリ科ネギ属に良く含まれている硫化アリルが豊富に含まれている。硫化アリルは辛味と刺激の成分であり、血液をサラサラにし、動脈硬化の原因となる血栓やコレステロールの代謝を促進、血栓を出来にくくする作用があつと言われている。
栽培特性
生育適温は15~23℃、球の肥大化には15~25℃が必要とされ、12時間の日長を平均とし、晩生種に至ってはそれ以上の長さが必要となる。土壌適応性は広いが、酸性土壌や乾燥地、火山灰土壌には適さない。リン酸の肥料効率や排水が良い畑で生産性が高く、早出しは砂壌土、。貯蔵用には粘質土壌が適している。
作型は秋まき栽培。
代表的な品種
七宝甘70 (七宝交配)
味覚を追求した多収型品種 2月定植に最適 水にさらさなくても生食できる、辛味のない画期的な品種。ナンプ病、葉枯れ症に強く、作りやすい。甲高球に良く揃い、肥大性良好で1球重350~400gの多収型。貯蔵すれば色のりが良い。
もみじ3号
長期つり貯蔵および冷蔵貯蔵品種、草姿は立性で病気に強く、首の締まりは良く、貯蔵性が良い。初期生育が旺盛なので太苗定植は避け、生育初中期に肥料切れすると減収する
ターボ、アトン
首部の締まりが良く、球に近い豊円形で1球重300gになる。病害に強く、抽苔や分球も少なく栽培しやすい品種
秋まき栽培では8月中旬から地床準備をし、9月上旬に播種。10月下旬まで育苗管理し、11月上旬に定植する。適度に追肥、除草を行って、6月上旬~中旬に、自然倒伏を確認後収穫する。乾燥貯蔵し、保存性が良くなると出荷する。
県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。
■見分け方
球形に近いものほどよく、平や長い物は保存性が悪いため避ける外皮は傷の少ないもの、よく乾燥しているもの、つやのあるものほど良質です。また外皮に締りがなく、浮かびあがって見えるものなどは、皮の下にカビが生えてる可能性があるので注意してください。先端から芽がでてたり、根が伸びてるものは、それだけその成長に栄養を取られてしまうので、その分味が落ちます。また、たまねぎをひっくり返してみて、根の部分の直径が小さいものほど、りん茎(食べる部分)が多くなるのでお得です。
重みがある
■ 主な産地 小松市、白山市、内浦町、金沢市。
■ 収穫期間 6月下旬~7月下旬
保存方法
通気性の良い冷暗所で保存する。
キク科ゴボウ属の多年草。縄文時代以前に中国から伝来したとされるが、中国では食用ではなく、薬として使われていたとされる。日本でも食用とされ始めたのは江戸時代からであるが、世界中で牛蒡の根を食用としているのは日本を含めて、ごくわずかしかない。
石川県でも古くから栽培をしており滝の川系と呼ばれる長根が主流であったが、青森県などで大規模生産するものと比べて、価格が高く、生産が減少している。
石川県内の主要産地
小松市、七塚町。
石川県での栽培品種
在来種(沢野ごぼう)、滝の川、渡辺早生、サラダ牛蒡(サラダむすめ)、若ゴボウなど
栄養価は食物繊維の多い野菜の代表格で、整腸作用が期待されている。また水溶性食物繊維のイヌリン、不溶性食物繊維のヘミセルロース、リグニンなどを豊富に含んでいる。
栽培特性
高湿性作物で、強光を好む性質があり、発芽適温は20~25℃、生育適温は20~25℃で10℃以下では生育が悪い。地上部は3℃以下で枯死するが、地下根は耐寒性が高く、-20℃でも越冬する。根長は1メートルを超えるものが多く、深い耕土を必要とするため、機械化なしではかなりの重労働。また耐水性が弱く、2会場湛水すると腐敗し、酸性にも弱いため、土壌の選定には注意が必要である。
作型は早掘りと普通作。
代表的な品種
渡辺早生 根部の肥大が早く肉付きの良い早生種である。75センチ程度で秋まきしても抽苔しない。一般的には3月まき夏とり
普通栽培では4月までに耕土を80センチ以上とし播種する。5月上旬に本葉3~4枚時となったら間引きをし、5~7月に1~3回に分けて追肥をする。8月下旬、播種後120日経った頃から収穫可能。根の直径が1センチほどになったら、若ゴボウとして出荷し、根が太ってくると、まとめて出荷する
県内各地の農協や出荷団体、個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。
■見分け方
全体の太さが均一で、ひび割れのないもの、シワがよっていたり、触ったときにふにゃっと柔らかいもの、逆にガチガチに硬いものは避けます。
■ 主な産地 小松市、七塚町
■ 収穫期間 8月下旬~10月下旬
保存方法
泥つきで、冷暗所に保存。
ヤマノイモ科ヤマノイモ属。ヤマイモの仲間であり、ナガイモやダイショといった品種群は日本に伝来してきたものだが、ジネンジョは古くから日本の山野に自生していたと考えられている。セリや三つ葉と同じく、数少ない日本原産の野菜です。天然物は地下数メートルに及ぶこともあり、掘り起こして収穫するのは重労働。近年ではパイプを使った栽培品も出回るが、天然物の粘りや味には劣る場合が多い。
一般的にとろろにするようなヤマイモは、まっすぐに伸びた円柱形か、丸型だが、自然薯は山野に自生していると、地下の形状、硬さにより、曲がり、掘ってみないと分からないため、まっすぐな天然自然薯を収穫することは困難。そのため、太くまっすぐな天然物は、収穫する時の重労働と希少性のため高価で取引される。古くから、滋養強壮を願う進物として贈られることが多かった。
日本の山野で広く自生しているため、適地は広い。赤土や粘土質の多い山で採れる自然薯は、中でも粘りが強いことで知られている。
石川県では、金沢市、白山市、宝達志水町などの野山で採取することも可能です。
栄養面では消化酵素のアミラーゼ、ビタミンB1、ムチンなどを含み疲労回復・滋養強壮・整腸作用・健胃作用などの効果があると言われています。
栽培特性
土壌をあまり選ばず、幅広く自生することからも、適応性が広いことで知られる。つる性多年草で、つるは木にまきついて上へ上へと伸びている。矢じりのような葉が多数付き、小さな玉のような実(むかご)がつく。そのようなつるの下、1~2メートるに直立して伸びている。しかし小石や砂利などの層で変形をする。10月~11月頃に最も肥大化しており、その頃に採取するとよい
県内各地の個人生産者から金沢の中央卸売市場に運ばれ、金沢市内の各小売店で売られています。
■見分け方
太いものが高価で取引をされている。長いものが良いとされるが、採取途中で折れてしまったものでも、ほとんど味は変わらない。太く、みずみずしい物を選ぶと良い。
■ 主な産地 金沢市、
■ 収穫期間
天然物の出回り時期 10月中旬~11月下旬
■ 保存方法
濡れ新聞をかけて冷蔵すると1~2週間程度。長く置くと土からカビが発生し、中まで浸食する場合がある。土を洗い流しおがくずに入れて冷蔵保存すると半年持つ場合もある。
ヤマノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ群。中国が原産で日本には17世紀より前に伝来したと言われている。
石川県では主に水はけのよい砂丘地で作られています。そのため他県で作るナガイモに比べて、粘りが強く、またアクも少ない。砂丘地長いもとして出荷されています
作型は普通栽培のみで切いも種、子いも種が作られています
主な産地 かほく市、金沢市
収穫期間 11月~1月
保存方法
新聞紙に包み、常温で風通りの良い冷暗所が望ましく、おがくずや土の中だと長期保存が可能です
オモダカ科の多年草で中国中南部が原産の水生植物である。根茎の先端に塊茎ができ、そこから小さな芽がでている。この独特の形状から芽が出る縁起物として、おせち料理には欠かせない物の一つ。
全国的には奈良時代に中国から伝来し、水田や泥質の土地で栽培されてきたが、手間がかかり、重労働であるにも関わらず中国からの輸入量も増えていたことから、近年は生産量が少なくなってきている。
石川県での栽培は、藩政時代に5代藩主前田綱紀が産業の興隆を志し、農事の奨励に力を入れていた頃に導入されたといわれ、水の便が良く、肥沃な湿田が栽培に適しており、加賀蓮根と同じく金沢市の小坂地区や御所地区で栽培されている。
主な品種は在来種の青くわいが栽培されています。12月初旬に収穫が始まる。需要期がおせち用として使われる12月いっぱいであり、1月末頃まで貯蔵品が出回っている。
栄養価はビタミンB1、B2、ミネラルが豊富で身体の調子を整えてくれることから揚げ物や炒め物で日常的に楽しまれることも多くなってきた
スイレン科ハス属で日本には古くから観賞用の蓮の花として栽培されていました。仏様のお花として、平安時代の記録もありますので、それ以前からということになります。近代史のなかでは、2000年前の蓮の実(種)が発見されたというロマン溢れる話題もございました。本当ならば、世界最古の花であったのではないかという仮説も現実味を帯びてきますね。
日本では宮廷や都を中心として仏教への信仰が強い地域を中心に栽培されておりましたが、江戸時代には各地の武将が城中に蓮を植えるなどして広まっていきました。明治以降には中国種とよばれる食用に適した品種の導入が進み、栽培面積、出荷量とも伸びていきました。現在の出荷量は茨城県が約3割を占め、徳島県、愛知県と続きます。